**みやび通信第32号(通刊第68号) 2006 (平成18) 年2月5日 発行:KAZU**

第 32 号

草創(2)〜表紙画その2〜



 前号に引き続いて、後半の表紙画をご紹介します。
 なお、特に断りを入れない限り著作権の有するものですので無断転載、直リンクはご遠慮くださいますようお願いいたします。

1987年



 この年の表紙は全てヤスリによる蝋原紙での製版。

「表紙のことば」
ザクロ。ザクロは肥大した種皮を食べる?変わった果物です。しかし、日本のザクロは、酸味・渋味が強くて、花や実を観賞している方がいい。モデルは自宅にみのった実の水彩画。
 絵画Aでサラリと描いた。用紙は色上質のボタン。(KAZU)

題字 雪鈴






1988年



 この年も蝋原紙を使った製版でまとめた。冬号を除いてイラストを描いている友達のイラストを拝借した。

「表紙のことば」
 今年いただいた年賀状の中からオリジナルの楽しい図をひとつ紹介します。東京の友人の山本○さんのもの。XA、絵Aのシンプルな製版。四版四色刷。紙はテンカラーエンボス竹の浅黄。KAZU

題字 雪鈴








1989年



 このあたりからプリントゴッゴの併用が多くなる。本文もガリ版刷りからコピー、部数によってはオフセットも使用。

「表紙のことば」
 単子葉類であるタケは上に伸びても、横に太ることはない。竹の子の太さがタケの太さになる。日本を代表する植物でありながらそのことに気づく人は少ない。
 XAヤスリによる文字版とプリントゴッコによるイラスト版の二版二色刷り。用紙はレザック'66のライトグリーン(KAZU)

題字 雪鈴




1990年



「表紙のことば」
 この春はガラリと指向を変えてマンガティックなものにしてみた。私の会社の同僚の作品。こう言う雰囲気は時と場合によっては敬遠されがちなものなのだが、果たして草創の表紙にはどうだろうか。
 プリントゴッコによる3版4色刷。(KAZU)

題字 雪鈴










1991年



 1991年は創刊10周年でイラストを描いておられた友人に表紙画をお願いした。ペンとインク、スクリーントーンで描かれた原画は今でも大切に保管している。

「表紙のことば」
 今年は十周年を記念して私の友人、中島○○さんに表紙のイラストを担当していただくことになりました。まずは「春」。
 プリントゴッコによるスミ、クサの二色刷り。

題字 雪鈴






「表紙のことば」
  今年は、創刊十周年を記念して私の友人の中島○○さんに表紙画を担当していただいています。今夏号は創刊号以来初めての表1P三方断切りとなりました。
 プリントゴッコによる2版2色刷り。KAZU

題字 雪鈴









「表紙のことば」
 今年は、創刊十周年を記念して私の友人の中島○○さんに表紙画を担当していただいています。春とも夏とも異なる作風の三作目。いかがでしょうか。
 プリントゴッコによる1版1色刷り。紫のケント紙に少し黄色で濁らせた青紫で印刷してみました。KAZU

題字 雪鈴









「表紙のことば」
 創刊十周年記念、中島○○さんにお願いした最後の表紙画。ネガティブな画像で特殊な雰囲気をねらってみました。
 プリントゴッコによる2版2色刷り。黒のケント紙に白と蛍光オレンジの重ね刷りです。KAZU

題字 雪鈴










1992年



「表紙のことば」
 梅雨が明けると大阪城北の淀川のワンドにはチョウトンボがたくさん翔ぶ。有機質の多い止水に棲むトンボで、翅の殆どが濃い青。蝶のようにヒラヒラ翔ぶ。KAZU

題字 雪鈴










1993年



 1992年から会員の更新がなくなり、発行部数も50を割った。連載していた友人の小説「理由なき逃避行」に期待をかけていたが、彼が本格的に執筆の道へ入るために休載。内容のレベルを維持することができなくなったため発行を断念、休刊に至った。

「表紙のことば」
 ワタリガニは標準和名はガザミという。浅い海に棲む遊泳性のカニだ。脚よりもミソが旨い。日本酒との相性がよくて好きだ。今回はシンプルにガザミを描いてみた。

題字 雪鈴