**みやび通信第37号(通刊第73号) 2008 (平成20) 年5月21日 発行:KAZU**

第 37 号

明石城(その2)



はじめに


 以前「第35号」で明石城を取り上げてから後、秋の明石を訪ねてきたのですが、今になってやっとアップする運びになりました。少々季節はずれの写真もありますが、おつきあいください。今回は明石城の北側の姿を中心にご紹介したいと思います。


乾櫓と坤櫓を結ぶ土塀



 前回全体像をご紹介できませんでしたが、乾櫓と坤櫓を結ぶ白土塀です。阪神大震災で櫓も被害を受けましたが修復され、この土塀も復元されました。





桜 堀



 本丸北側にある堀です。ここから薬研堀へと続く堀とその周辺は自然の地形をそのまま利用したもので、様々な樹があり、虫なども豊富。釣りや散策を楽しむ人、絵を描く人がたくさんおられました。ご覧のように紅葉もきれいです。訪れた時、ちょうど石垣が逆光になったため石垣をバックにした写真が撮れませんでした、残念。


二の丸北の石垣



 二の丸、東の丸の北側の石垣は南側の石垣に比べて傷みが激しかったようで、最近積み直しされたと思われるところが多々あります。崩れて危険な箇所もあるのでしょうか、一部通行止めになっていました。石垣に沿って散策道が設けられており大変静かなところす。


薬研堀



 東の丸の北西にある静かに水を湛えた堀。堀の外はすぐ道路で、すぐ近くに明石市立文化博物館があります。水に映る緑が大変美しい堀です。東の丸の入り口から南へ道は急な下りで、この堀が高いところにあることがわかります。また南側の石垣の下は箱堀という小さな堀があったそうですが、今は水もなく周囲を鬱蒼と木が茂り、そこに窪みとして残っています。


東外堀



 明石公園の東、明石小学校と道を挟んである堀です。ご覧の通り周囲に樹が茂り、深さもそれ程なくて湿地状態になっていて水生植物も茂っています。水鳥もたくさん見られました。


稲荷曲輪



 天守台の西側にある曲輪。写真は天守台から見下ろしています。本来、天守台のすぐ下の曲輪ということで重要な場所であったと思われます。明石城は公園の正面、南から見た二つの櫓と城壁の印象が強く、そちらの方が人が多いのですが、この曲輪の周辺は人影も少なくて、また違った明石城の姿を見せてくれます。


天守台



 稲荷曲輪から見た天守台。明石城は天守閣が建設されなかったので、天守台に上ってみても天守閣の基礎や柱の跡などは当然なく、平坦な台地になっています。


坤 櫓



 稲荷曲輪から石垣伝いに下って行くと坤櫓のすぐ下に降りてきます。石垣も立派で精悍な姿を見せてくれます。


 初めて明石公園・明石城を訪ねるとどうしても南側からお城にアクセスすることになり本丸まで上っても北側に下っていくことは余りないかと思います。二度三度とお訪ねの折、時間に余裕がある時には稲荷曲輪から桜堀、二の丸の北側を歩いて薬研堀へと歩いてみられると、また違った明石城の姿が見えてきます。特に桜堀周辺の紅葉は実に見事です。